2015.2.10 利回りについて
投資物件における利回りとは、一般向け情報サイトなどでは通常の場合、表面利回りのことを言います。
表面利回りは、各種経費控除前の収益を物件価格で除して算出します。
不動産ファイナンスに精通したプロの投資家は、将来見込まれる収益を金利等を考慮して現在価値に引き直し、経費も考慮して、還元利回りと呼ぶものを使うことがあります。
現在価値に引き直す考え方は、ファイナンス理論に基づくため、理解するのは難しいです。
現在の超低金利を考えれば、あまり重要視する必要はないでしょう。
そもそも金融のプロによる将来の金利予想は、多くの場合外れてばかりで、あてになりません。
一方、経費については、物件種別や所在地等でかなり変動するため、異なる条件の物件を比較する際は経費率の違いに留意する必要があります。
たとえば、狭い1Rのみで構成された物件の場合、経費率は相対的に高まります。
給湯器やエアコンといった設備は、1Rでも2DKでも大して変わらず、修繕費は家賃に比例しないからです。
表面利回りを利用して物件を比較する場合、経費率の見積りを適正に行うことが重要です。
このことを踏まえて物件を比較すると、1Rのみの物件は相対的に表面利回りが高くて当然であることを理解しやすくなるでしょう。
利回りは、投資効率という点では重要な指標です。
しかし、不動産固有のポテンシャルを軽視して利回り一辺倒で投資を考えると、成功しにくいです。
不動産はどれ1つとして同じものはありません。
建物は建替えや修繕により価値を向上させることができますが、土地の場合は通常そうはいきません。
接道、形状、周辺環境等からもたらされる土地固有の価値を十分認識したうえで、建物の価値も加味して投資物件を適正に評価していただけるよう、当社ではお手伝いさせていただきます。